>> P.10
クーデター関連ニュースまとめ特殊詐欺拠点で話題は持ちきりだが、国際社会の支援を受け、軍政が民心を引き寄せようとしているとの見方もある。2月25日までの主なニュースをピックアップする。▲閑散としたジャンクションシティ[2月25日]「ヤンゴンで戦闘を開始する」NUG首相民主派・国民統一政府(NUG)のマン・ウィン・カイン・タン首相は2月23日、市民防衛軍(PDF)南部戦線の実行部隊に対する訓示の中で、最大都市ヤンゴンおよび隣接するバゴー管区において戦闘をまもなく開始すると発表した。マン・ウィン・カイン・タン首相は「戦闘員諸君は十分な訓練と経験を積んでいる。軍評議会(SAC)を壊滅させるため、ヤンゴンとバゴー管区で戦闘を開始する。部隊はこれから移動するが、険しい道のりを必ず乗り越えられると信じている」と強調した。その上で、NUG、PDF、少数民族武装組織を分断しようとするSACの策略に警戒するよう呼びかけ、結束を維持するよう訴えた。▲市民防衛軍に訓示するマン・ウィン・カイン・タン首相(左)©RadioFreeAsiaミャンマー詐欺拠点の外国人、移送に数か月かタイ警察のタチャイ・ピタニラブット長官は、ミャンマー国内の特殊詐欺拠点に拘束されている外国人の本国送還について、完了まで数か月を要する可能性があると示唆した。同長官によると、カイン州の国境警備隊(BGF)や民主カレン仏教徒軍(DKBA)が支配するシュエコッコおよび特殊詐欺の拠点とされる「KKパーク」には、中国系犯罪組織の拠点が30~40か所存在するとみられ、閉じ©VOABurmeseNews10Mar2025込められている外国人の数は最大10万人に達する可能性もあるという。タイ当局はミャンマー側と協議し順次移送を進めているが、日本人に関する具体的な人数や移送日程については明らかになっていない。ミャンマー、世界最悪のインターネット遮断国に米国のデジタル権利団体「AccessNow」は2月24日、2024年のインターネット遮断に関する報告書を発表し、アジア太平洋地域での通信遮断が過去最多となる中、ミャンマーが世界で最も深刻な状況にあることを明らかにした。報告書によると、ミャンマーでは1年間に計85回のインターネット通信遮断が発生し、世界最多を記録。2番目に多かったのはインドで84回だった。ミャンマーで発生した85回の遮断のうち、31回は人権侵害と関連し、少なくとも17回は民間人を標的とした空爆と結びついていたという。[2月21日]中国の停戦協議失敗、ミャンマー軍が空爆再開ミャンマー軍は、少数民族武装組織タアン民族独立軍(TNLA)が支配するシャン州北部ナウンチョー市内への空爆を再開した。TNLAの発表によると、ミャンマー軍は2月20日、ナウンチョー市内の市民病院や警察署を標的に爆弾を投下。この空爆により、市民3人が死亡、4人が負傷したという。2月16日と17日に中国の仲介でTNLA傘下のパラウン州解放戦線(PSLF)と軍評議会(SAC)の停戦協議が雲南省の昆明で行われたが、物別れに終わっていた。ミャンマー人労働者支援協会、タイ当局に差し押さえられるタイ・バンコク郊外にあるミャンマー人労働者支援協会(AAC)の建物が、タイ当局により差し押さえられたことがわかった。協会の代表によると、2月18日にタイ入国管理局がAAC事務所に立ち入り検査を実施。不法就労者の保護や違法活動の有無を調査し、問題なしと判断された。しかし、20日になり、タイ治安当局が再び立ち入り検査を行い、建物の老朽化による安全上の問題を理由に差し押さえを決定。60日以内に解体するよう命じたという。この建物は2015年に建設され、これまで多くのミャンマー人労働者を支援してきた。協会は、軍評議会(SAC)傘下の在タイ・ミャンマー大使館や民主派の国民統一政府(NUG)に対し、問題解決に向けた協力を要請している。[2月20日]ヤンゴンの日本料理店で殺人事件従業員刺殺される最大都市ヤンゴンのバハン郡区で2月18日未明、日本料理店の従業員が何者かに刺殺される事件が発生した。事件はインヤー湖近くのウーチッマウンロード沿いの日本料理店で発生。18日午前1時ごろ、閉店作業中に6人組の男が押しかけ、従業員のアウン・ゾー・テッ氏をナイフで刺した後、逃走した。従業員は現場で死亡が確認されたという。同郡区では昨年12月26日にも、化粧品販売店で店主が殺害される事件が発生しており、いずれの事件も動機や犯人の行方は明らかになっていない。軍評議会が警備法を制定外国警備会社の武装も可能に軍評議会(SAC)は2月18日、民間警備サービスに関する法律を制定し、外国の警備会社による武器の携行を認めた。この法律は、中国とミャンマーの合弁による警備会社設立案の承認後に起草されたもので、警備員の25%までを外国人で構成することが可能と規定。また、要請があればSAC傘下の警備機関との協力を拒否できないことも明記されている。ある弁護士は、「2008年憲法第42条(b)では外国軍の国内駐留を禁止しており、今回の法律はこれに抵触する可能性がある」と指摘。「中国の治安部隊がミャンマー国内で合法的に活動するための布石ではないか」と懸念を示した。世界遺産バガン地域への軍事攻撃を非難、民主派NUG民主派の国民統一政府(NUG)は2月16日、軍評議会(SAC)が世界遺産バガン地域を軍事